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オフィス移転

2023/12/05

再開発による立ち退きの対応策!立ち退き料は増額できる?

事業を運用しているなか、都市の再開発計画により立ち退きを命じられて困惑するケースも少なくありません。突然立ち退きを言い渡されても「どのように対応すればいいのだろうか」と困惑してしまいますよね。この場合、対応方法は大きく分けると2つあります。この記事では、立ち退きを命じられた場合の対応策や立ち退き料の相場、立ち退き料を増額させるポイントを紹介します。

再開発による立ち退きの対応策!立ち退き料は増額できる?

1.再開発で立ち退きになった場合は拒否できる?

再開発は何も知らないうちに決定しているケースも多く、立ち退きに納得できない人もいるでしょう。この請求を拒否することは可能なのでしょうか。結論からいうと、拒否はできず最終的には土地や建物を明け渡さなければなりません。なぜなら、都市計画法に基づく再開発は、いずれ強制的に土地収容を行える可能性があるためです。土地収用法とは、公共事業による再開発で土地の権利者の90%が同意する場合、ほかの10%が拒否しても強制的に土地収容できるというものです。都市計画法では都市計画を円滑に遂行するために、土地の明け渡しをしなければならないと決められています。そして、拒否がある場合は強制的に土地収用を実行できる制度があるのです。

 

公共事業や土地の再開発事業は多くの場合、活動そのものが保護されています。そのため、いくら頑張って立ち退きを拒否し続けても、最終的には悪あがきとなってしまうケースが多いのです。とはいえ、命じられたら即座に立ち退かなければならないというわけではありません。事業者は土地や建物の権利を持つ人や、その借主を守る必要があります。すぐに対応できない場合でも、ある程度の事情は考慮してもらえる可能性が高いでしょう。それに、事業者もできれば強制的ではなく、穏便に対処したいと考えることが一般的です。立ち退きを命じられると焦ってしまいがちですが、気持ちを落ち着けて冷静に対処を考えましょう。

2.再開発で立ち退きになったときの2通りの対応

再開発で立ち退きを命じられた場合、大きく分けると「立ち退き料を受け取って場所を明け渡す」「権利変換を行う」という2つの対応方法があります。それぞれどのようなものか、詳しく見ていきましょう。

2-1.立ち退き料を受け取って場所を明け渡す

1つ目は「立ち退き料を受け取り場所や権利を明け渡す」という対応です。立ち退き料を受け取る代わりに、権利を施行者に譲渡します。この対応をとる場合、再開発後の物件における権利は消失します。

2-2.権利変換する

2つ目は「権利変換する」という対応方法です。権利交換とは、簡単にいうと土地や建物の所有権もしくは借地権と引き換えに、新たな建物の所有権の一部などを受け取れるものです。再開発後に建設される新しいビルに入居したい場合は、立ち退き料の受け取りではなく、権利交換を検討すると良いでしょう。なお、権利変換によって新たに受け取れる権利は、交換前の土地・物件の価値や資産額などによって変動します。敷地は再開発前に所有していたものと同程度となります。

3.再開発による立ち退き料について

再開発で立ち退き料を受け取ると決めた場合、どのくらいの金額になるのか気になるでしょう。また、立ち退き料をもらうことが初めての場合、相場がわからず不安になる人もいるかもしれません。そこで、ここでは再開発による立ち退き料の相場や内訳を紹介します。

3-1.相場

前提として、立ち退き料には明確な相場はありません。一般的には地価や転居費用などの実費、物件をそのまま継続して利用する場合に想定される経済的利益などを踏まえて金額が決定します。また、建物の構造や用途、経過年数なども加味されます。なお、明確な決まりはないものの、賃貸物件の立ち退き料は半年分程度の家賃が提示されるケースが多いでしょう。立ち退き料の相場が気になる場合は、周りにリサーチしてみる方法もあります。近所に同業者などがいれば、同じ条件で立ち退きを求められている可能性があるでしょう。

同じ立場の人と情報交換をするなかで、立ち退き料の相場を推測できます。明らかに不当な条件や安い金額などを提示されていないか判断するための目安になるでしょう。

3-2.内訳

一般的な立ち退き料の内訳には、以下のようなものがあります。まずは「転居費用」です。立ち退きをするには、当然引っ越しの費用がかかります。借主からすると、転居にともないかかる費用は想定外の出費となるでしょう。そこで、立ち退きを依頼する側が、その転居費用を支払うことになるのです。転居費用には、引っ越し業者に依頼する費用のほか、引っ越し先で発生する敷金・礼金、仲介手数料などが含まれます。ほかにも、1カ月分程度の家賃、電話回線やインターネットの移転費用などが含まれるケースもあります。そのほかに「各種保険への加入費用」も含まれるでしょう。立ち退き後に新しく物件を借りる際は、火災保険や地震保険などへの加入が必要になります。

 

これらは本来、立ち退きがなければ生じない出費です。そのため、立ち退き料の一部として支払われる場合があります。そのほかにも「迷惑料」「撤去費用」などが含まれます。立ち退きによる想定外の引っ越しでは、費用だけではなく精神的なストレスや肉体的な疲労が発生するものです。ほかの物件を探す労力や引っ越しにかかる手間、新しい生活に慣れるまでのストレスなどに対し、迷惑料が支払われます。なお、迷惑料は個々の状況を踏まえて査定されるため、ケースによっても金額が変わります。また、門戸やフェンスなどがある場合は、その撤去費用も含まれることがあるでしょう。

4.交渉が肝要!立ち退き料を増額させる方法とは

立ち退き料は相場がないからこそ、ケースによって金額に大きな差があります。満足のいく立ち退き料を受け取るため、重要になるのが交渉です。交渉次第では結果が大きく変わり、立ち退き料を増額できる可能性があります。そこで、ここでは立ち退き料を増額させるための方法を紹介します。

4-1.弁護士に相談する       

立ち退き料を増額させるためには「弁護士に相談する」ことが有効な手段です。そもそも、提示された立ち退き料が適切な金額であるか、素人が判断することは困難です。適切な立ち退き料だと考えていたものの、弁護士に相談した結果、じつは不当な金額であると判明するケースも少なからずあります。立ち退き料は一度合意してしまうと、その後の増額は難しくなります。そのため、提示された立ち退き料が適切かどうか、専門的な知識を持つプロの視点から判断してもらうことが重要です。

 

立ち退き料には法的な基準がなく、あくまでも交渉によって金額が決まることが一般的です。また、立ち退き料の算定には考慮すべき要素が数多くあり、それらを一つずつ検討して適正な金額を割り出さなければなりません。もし、金額に納得がいかず増額交渉をする場合にも、その根拠が求められます。しかし、素人がさまざまな要素を検討し、増額の根拠を示すことは難しいでしょう。そこで、専門家である弁護士の力が必要になります。

 

再開発に詳しい弁護士であれば、過去の事例と照らし合わせ、事情や要素を考慮したうえで適正な金額かどうか判断できます。また、明け渡しについての交渉も、ノウハウを持つプロに任せられるため安心です。立ち退き料の増額を求める場合は、まず弁護士に相談してみると良いでしょう。

4-2.立ち退く意思がないことを伝える

再開発による立ち退き勧告が届いたときに「立ち退く意思がないことを伝える」ことも一つの方法です。そもそも、立ち退く意思がある人に対し、立ち退き料の増額を考える可能性は低いでしょう。そこで、勧告を受けた際に拒否の姿勢を示すことで、立ち退き料が上がる可能性があります。ただし、適切な時期までに交渉がまとまらないと、最終的に行政代執行となるおそれがあります。行政代執行とは、物件などの所有者に代わり、行政が強制的に適切な措置をとるものです。行政代執行となり損をしないよう、粘りすぎには気をつけましょう。意思を明確に伝えつつ交渉を進め、お互いの妥協点を探ることが大切です。

4-3.立ち退きにより損害や損失が発生すると主張する

増額が必要な根拠として「立ち退きにより損害・損失が発生することを主張する」のも良い方法です。保有する物件を失うことで、具体的にどれくらいの損害が発生するのか計算しましょう。数字でわかりやすく損失を示すことで、相手の納得を得やすくなります。店舗や事務所などであれば、移転による売上の減少など営業補償の提示・交渉もポイントとなります。営業補償とは、立ち退きによって営業が中断される間に発生する損失を補うものです。たとえば、営業活動を継続できていれば本来得られるはずの利益、従業員の給料などが補償に含まれます。根拠となる客観的な資料や数字を提示できるよう準備しておきましょう。

5.再開発による立ち退きで交渉するときのポイント

再開発による立ち退きで交渉を行う場合、どのような点を意識すれば良いのでしょうか。ここでは、立ち退きの交渉をする際のポイントをいくつか紹介します。

5-1.調書に不明点や意義があれば申し立てる

立ち退きの交渉をする際、覚えておきたいのが「調書に不明点や意義があれば申し立てる」ことです。権利者は通常、調書作成にあたり署名・捺印が必要です。このとき、調書の内容に異議がないか確認されるため、納得のいくものかどうか、しっかりと確認しましょう。内容に納得できない場合や不満点・不明点がある場合は、すぐに認めず不服を申し立てます。調書の内容は、後に補償金を計算するための参考資料となる重要なものです。異議があっても申し立てをしなければ、補償金の金額に反映されてしまう可能性が高まります。少しでも有利な条件で交渉を進められるよう、調書は細部まで目を通し、必要に応じて申し立てを行いましょう。

5-2.話し合いの内容は書面に残しておく

立ち退き交渉では「話し合いの内容を書面に残す」ことがポイントです。立ち退きは利害関係が入り交じるため、話し合いがトラブルに発展するケースも少なくありません。そこで、話し合いの記録を残しておくと、トラブルが起きたときに役立ちます。いつ誰がどのような発言をしたか、どのような書類が配られたか記録しておきましょう。ポイントは、ファイルなどにわかりやすくまとめておくことです。いつでも書類をコピーでき、内容を見返せる状態にしておきましょう。詳細な記録をつけて適切に保管しておけば、立ち退きに関する困りごとを行政や弁護士などに相談するときにも、スムーズに状況を説明できます。

6.オフィスや店舗の移転ならサポートを活用しよう!

再開発により立ち退きを命じられた場合、主な対応方法は「立ち退き料を受け取って場所を明け渡す」「権利変換する」の2通りがあります。なお、立ち退き料は交渉次第で受け取れる金額が大きく変わってきます。必要に応じて弁護士などプロの力を借りつつ、慎重に対応を検討しましょう。また、立ち退きによる煩雑な移転作業は、アウトソーシングの活用がおすすめです。お困りごとがあれば「共生」にご相談ください。

立ち退きの要求があったときは対応を慎重に検討しよう!

再開発により立ち退きを命じられた場合、主な対応方法は「立ち退き料を受け取って場所を明け渡す」「権利変換する」の2通りがあります。なお、立ち退き料は交渉次第で受け取れる金額が大きく変わってきます。必要に応じて弁護士などプロの力を借りつつ、慎重に対応を検討しましょう。また、立ち退きによる煩雑な移転作業は、アウトソーシングの活用がおすすめです。お困りごとがあれば「共生」にご相談ください。

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